歯列不正の種類と特徴をご紹介
「歯列不正」のなかでも、歯が重なり合って生えてくる叢生(そうせい)は、約40%を占めるというデータもあります。[注1]
歯列不正は見た目が悪いだけではなく、健康に悪影響をもたらす場合もあります。歯並びで悩んでいる方、これから矯正治療を考えている方のために、今回は歯列不正の種類、特徴、リスクについて詳しく解説いたします。
歯列不正とは
歯列不正とは、シンプルに表現すると、「歯並びが悪い状態」です。
歯並びが悪い状態では、口元が気になったり、笑うことが苦手になるなど、精神的に辛い部分があります。それだけではなく、健康面にも悪影響が出ることもあります。
たとえば、歯並びが悪いと歯ブラシが汚れに届きにくいため、歯周病や虫歯へのリスクが高まります。
歯列不正は、見た目だけでなく心や体の健康に悪影響を及ぼすことがあるのです。
歯列不正の原因は遺伝と生活習慣にある
歯列不正の原因は、「遺伝など先天的な原因」と「生活習慣など後天的な原因」の2つに分けられます。
先天的な原因を防ぐことは難しいですが、生活習慣が原因の場合は事前に防ぐことが可能です。
歯列不正の2つの原因について詳しく解説いたします。
遺伝が原因の場合
顔や体が両親に似るように、歯並びも遺伝します。
歯列不正の例では、以下のような場合が当てはまるでしょう。
- 顎が小さく歯が収まりきらない
- 上顎や下顎が突き出ていて噛み合わせが悪い
- 顎と歯のバランスが悪い
しかし、幼少の頃からしっかり噛んで食べて顎を使うことで、生活習慣から歯列不正の症状を少しでも抑えることが可能です。
生活習慣が原因の場合
以下のような生活習慣は歯列不正の原因になる可能性があります。
- 指しゃぶり
- 指や爪、唇を噛む
- 幼少から柔らかいものばかり食べている
- 頬杖をつくことが多い
- いつも同じ方向を向いて寝ている
- 口が開いていることが多い
生活習慣のなかにも歯列不正の原因が潜んでいる場合があるので、少しでも当てはまるようだったら、改善するよう心がけましょう。
たとえば、指しゃぶりが癖になっている場合、前歯が圧迫されることで出っ歯になるリスクが高まります。もし、子供に悪い癖がついていると思ったなら事前に予防できるように対策を講じることも効果的です。
歯列不正の種類は4つ
歯列不正は4種類あり、以下のような特徴があります。
叢生(そうせい)
叢生は、顎が大きさが小さいなどの原因で歯が生えるスペースが足りず歯が凸凹している状態を指します。ほかにも、幼少に指や舌を噛む癖があると叢生になる可能性が高まります。
歯列不正のなかで1番多く、叢生を放置した場合、歯ブラシがしづらいため歯周病や虫歯びリスクがあり、口臭が悪化しやすくなります。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上顎前突は、前歯や歯茎や上顎が飛び出している状態です。出っ歯とも呼ばれていて、見た目が悪いだけではなくケガをしやすかったり、咀嚼がしにくくなるデメリットがあります。
生活習慣では、口呼吸、指しゃぶりが上顎前突の原因となる可能性があります。
下顎前突(かがくぜんとつ)
下顎前突は、下の歯が突き出て噛み合わせが上下逆になっている状態です。
受け口とも呼ばれていて、見た目の悪さ以外に、発音への影響、顎関節症を誘発するリスクがあります。
指しゃぶり、舌で下の歯を押す、頬杖をつくことが多い、口呼吸が後天的な下顎前突の原因となる場合があります。
開咬(かいこう)
開咬は、奥歯を噛み合わせても前歯が噛み合わずに開いてしまう状態です。気づかずに奥歯を使いすぎている場合があり、顎の関節や筋肉に相当な負荷をかけて顎関節症を併発していることもあります。
生活習慣では、舌や指しゃぶり、口呼吸が開咬の原因になるでしょう。
歯列不正の割合は叢生が1番多い
歯列不正のうち「叢生」が44.3%を占めています。(厚生労働省平成23年歯科疾患実態調査より)[注1]
ほか3つの歯列不正が1割弱ですので、叢生がダントツで多いでしょう。日本では可愛いと言われる八重歯も叢生の一種です。
歯ブラシしづらいため、歯周病や虫歯び、口臭が悪化、口内炎ができやすいなどのリスクがあるため早めに治療をしましょう。
歯並びが気になったら早めに歯科クリニックへ
歯並びが悪いと口元が気になるだけではなく、歯周病になりやすく消化器官に負担をかけるなど体に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、遺伝だけではなく生活習慣も原因になることから大人になって歯列不正になることもあるでしょう。
子供でも大人でも気づいた時点で歯並びを治すことができます。歯並びが少しでも気になったら早めに歯科クリニックに相談しに行きましょう。