親知らずが生えている歯茎を押すと痛い! 腫れていないのに痛む原因や治療法を解説
親知らずが生えている歯茎を押すと痛いと感じる場合は、智歯周囲炎が起こっている可能性があります。悪化すると歯茎が腫れる、歯に痛みが出るなどの症状により食事を楽しめなくなったり、口が開けにくくなったりするため、早めに治療しましょう。
本記事では、親知らずや他の歯の歯茎を押した際に感じる痛みの原因と治療法を解説します。
親知らずが生えている歯茎を押すと痛いのは何が原因?
親知らず付近の歯茎を押して痛みを感じる場合、智歯周囲炎が原因だと考えられます。智歯周囲炎とは、親知らずが生えている歯茎で起こる炎症のことです。
親知らずが横向きに生えると、隣の歯との間に隙間ができてしまいます。その隙間にたまった汚れから細菌が繁殖し、炎症を起こすと歯茎に腫れや痛みが出ます。
その他にも、顎下のリンパ腺の腫れや口の開閉が十分にできないなどの症状が現れる場合もあるため、早めに治さなければなりません。
智歯周囲炎の治療方法
智歯周囲炎の治療では、まず痛みが出ている部分を洗浄し、清潔な状態にします。軽度な膿なら抗生物質で自然排出できる場合もありますが、重度なら手術で排出するケースもあります。
洗浄後は抗生物質を投与すると同時に、ご自宅でも抗生物質を服用してもらうケースが一般的です。
何度も炎症が見られる場合は、親知らずを抜いて痛みの原因を根本的に取り除く場合もあります。
親知らず付近以外の歯茎で痛みを感じる場合は何が原因?
親知らず以外の歯茎でも、押したときに痛みを感じる場合があります。以下の3つの状況で原因を見ていきましょう。
- 歯間の歯茎を押すと痛い場合
- 歯の付け根の歯茎を押すと痛い場合
- 被せ物付近の歯茎を押すと痛い場合
1. 歯間の歯茎を押すと痛い場合
歯と歯の間の歯茎に痛みがある場合、歯周病の初期症状である可能性があります。
歯周病とは、歯周ポケット(歯と歯茎の間にできる溝)にたまった汚れから繁殖した細菌が、歯茎に炎症を起こす病気です。初期段階では症状が分かりにくいですが、重症化すると歯茎が腫れたり、出血したりします。
放っておくと歯が抜け落ちる可能性があるため、普段から丁寧に歯磨きをしたり、歯科の定期検診を受けてメンテナンスしたりすることが大切です。
2. 歯の付け根の歯茎を押すと痛い場合
歯の付け根の歯茎が痛い場合は、根尖病巣(こんせんびょうそう)が原因の可能性があります。
根尖病巣とは、歯の根元に膿がたまって痛みが生じる状態のことです。過去に治療を受けた歯の根元でよく見られ、進行すると歯茎に吹き出物のようなものが現れたり、そしゃく時に違和感を覚えたりする場合があります。また膿が増大すると、歯を支えている骨が溶けて歯が抜けるリスクもあります。
根尖病巣を発症した際は、神経と血管の通り道を洗浄し、膿を除去する根管治療が必要です。
3. 被せ物付近の歯茎を押すと痛い場合
被せ物付近の歯茎に痛みがある場合、被せ物をしている歯の根元がひび割れた状態を指す歯根破折(しこんはせつ)が起きている可能性があるでしょう。
なぜなら被せ物をしている歯は、治療の際に歯の神経を抜いていることもあるため、血液が栄養を運べず根元にひびが入る場合があるからです。他にも被せ物が外れやすくなる、歯が浮いた感覚になるなどの症状が出る場合もあります。
軽度のひび割れは歯科用の補強材を使って治しますが、重度な場合は一度抜歯をしてから補強材で修復し、抜いた歯を元に戻すこともあります。
歯茎を押したときに痛いと感じた場合はどう対処する?
親知らずや親知らず以外の歯茎で痛みを伴う場合は、以下の対処法を試してみましょう。
- 痛み止めを飲む
- 口を清潔に保つ
- 痛む箇所を冷やす
- 生活リズムを整える
ただし、上記はあくまで一時的な対処法です。根本的な痛みが取れる方法ではないため、早めに歯科医院を受診しましょう。
1. 痛み止めを飲む
市販の痛み止めで一時的に歯茎の痛みを和らげられる場合があります。ただし、炎症がひどい場合は、服用しても痛みが治まらない可能性があると覚えておきましょう。
2. 口を清潔に保つ
丁寧な歯磨きで口を清潔に保ちましょう。
痛みが出ているのは、歯周病が原因の可能性も考えられます。初期段階では丁寧に歯を磨いて汚れを除去すれば、炎症の悪化を抑えられる可能性があります。
また、歯間ブラシやフロスなどで歯の隙間の汚れを除去したり、うがい薬で殺菌したりするのも口内環境を整えるのに効果的です。
3. 痛む箇所を頬側から冷やす
痛む箇所を頬側から冷やすと、一時的に痛みが軽くなる可能性があります。冷やすときは、氷や冷却パックをタオルで包むか、タオルを水で濡らして当てるようにしましょう。
4. 生活リズムを整える
歯茎の痛みは、体の免疫機能が低下したときに現れる場合があります。
十分な睡眠やバランスの取れた食事を取ることで、体の調子が整い、痛みの軽減にもつながる可能性があります。
親知らずが生えている歯茎を押すと痛いのは、歯茎の炎症が起こっているから
親知らずの生えている歯茎を押した際に痛みを伴う場合は、智歯周囲炎を引き起こしている可能性があります。親知らずが生えていない歯茎でも、歯周病や歯の根元のひび割れが原因で痛みが生じる場合があるため、症状が悪化する前に適切な治療を受けましょう。
名古屋歯科では、患者さん一人ひとりのご要望に合わせて歯の治療を行っています。歯茎の痛みでお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。