日頃のケアが歯を守る! お口を健康に保つポイントを徹底解説
「日頃の歯のケア」と聞いて、多くの人は歯磨きを思い浮かべることでしょう。しかし実際にはそれだけではありません。歯の磨き方はもちろん、生活習慣や食習慣も、口の中の健康と密接な関係があります。
本記事では、プラーク(歯垢)の除去を意識した歯磨きや生活習慣の注意点など、歯をケアするポイントを詳しく解説します。いつまでも健康な歯で過ごすために、ぜひお読みください。
歯をケアする日頃の歯磨き
舌で自分の歯を触ったとき、ざらつきやねばつきを感じたことはありませんか? それは汚れや食べかすなどではなく、プラーク(歯垢)の可能性が高いです。
以下ではプラークの正体と、歯を守る正しい歯磨きのこつを解説します。
プラークとは
歯に粘度のある乳白色の汚れが付いていたら、それがプラークです。
人間の唾液には、歯に付いた細菌を洗い流す作用があります。しかし唾液が届きにくい場所もあり、細菌がそこに付着するとプラークを作り始めてしまいます。そしてたった1mgのプラークに存在する細菌の数は1億個以上です。
プラークを除去しないと数日で固くなり、歯磨きでは落とせない歯石に変わります。歯石は虫歯だけでなく、歯周病などのリスクも高める厄介な存在です。日頃のケアでプラークをしっかり落とし、健康な歯を維持していきましょう。
プラークが残りやすいポイント
プラークが付着しやすく、歯を磨いても残りがちなポイントは次の通りです。
- 歯と歯の間
- 歯と歯茎の境目
- 奥歯のかみ合わせ部分
- 歯並びが悪い部分
歯磨きの大きな目的は、プラークを取り除くことです。プラークはねばねばと歯に貼り付くため、うがいだけでは落とすことができません。
正しい歯磨きとケア
歯磨きは、歯の継続的なケアの基本です。正しい歯磨きのこつを押さえて、プラークをしっかりと除去しましょう。
- 1カ所につき20回以上ブラッシングする
- 歯ブラシの毛先をプラークが残りやすい場所に当てる
- 軽い力で歯を1~2本ずつ小刻みに磨く
歯には個人差があり、人によって歯並びがでこぼこしていたり、歯の高さがそろっていなかったりします。磨きにくい歯にプラークを残さないよう、歯ブラシを縦や斜めに当てるなど、いろいろな工夫をしてみましょう。
歯のケアを妨げる日頃の習慣
虫歯は単なる歯のトラブルではなく、生活習慣病だといわれています。虫歯の原因は歯のケア不足のみならず、日頃の生活にも潜んでいるからです。
以下では虫歯や歯周病など、歯のトラブルを招く生活習慣について見ていきます。
気を付けたい生活習慣
最初に、歯のトラブルに結び付きやすい生活習慣を紹介します。
生活習慣 | 気を付けるべき理由 |
睡眠不足 | 細菌に対する歯茎の抵抗力が落ちる |
歯磨きをせずに寝る | 睡眠中は細菌を流す唾液が大幅に減る |
喫煙 | 歯茎の血流が悪くなる |
口呼吸 | 口の中が乾くため細菌が繁殖しやすくなる |
ストレス | 唾液の減少や夜中の歯ぎしりの原因になる |
歯に悪影響を与える食習慣
歯のトラブルを防ぐには、次のような食習慣にも注意が必要です。
食習慣 | 気を付けるべき理由 |
間食 | 食事を取る回数とプラークのたまりやすさは比例する |
糖分の取り過ぎ | 糖分は口の中にいる細菌の餌になる |
軟らかい食べ物 | あまり噛まずに食べられるため唾液が不足する |
酸っぱい食べ物や炭酸飲料 | 取り過ぎると歯が溶けてしまう |
日頃から使いたい歯のケアグッズ
ドラッグストアへ行くと、さまざまな歯のケアグッズが棚に並んでいます。日頃から歯を正しくケアするには、自分に合ったグッズ選びも大切です。
ここではデンタルフロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュの効果を解説します。
デンタルフロス(または歯間ブラシ)
デンタルフロスは、歯と歯の間をケアするために作られた、ナイロン繊維などを寄り合わせた細い糸のことです。プラスチックの持ち手にフロスを取り付けたホルダータイプと、好きな長さに切って使える糸巻きタイプがあります。
歯ブラシが届きにくい歯と歯の間は、プラークや食べかすが残りがちです。しかしデンタルフロスなら歯の隙間に入るため、そこに残ったものを直接かき出すことができます。
歯間ブラシもデンタルフロスと同じように、歯と歯の間をケアする効果的なグッズです。しかし歯間ブラシは太さがあり、歯の隙間が狭い人は使えない可能性もあります。そのような場合は無理をせず、デンタルフロスを使いましょう。
日頃のケアにデンタルフロスや歯間ブラシを取り入れると、歯と歯の間のプラーク除去率が飛躍的に上がります(※)。
ケア方法 | プラーク除去率 |
歯ブラシのみ | 50% |
歯ブラシ+デンタルフロス(または歯間ブラシ) | 90% |
※参考:三河歯科衛生専門学校.「デンタルファイルNo.10 デンタルフロスや歯間ブラシの活用」.https://mikawa-dental.ac.jp/dental_file/mdhc_dentalfile10.html ,(参照 2024-10-04).
マウスウォッシュ
マウスウォッシュは、うがいだけで口の中を殺菌できるケアグッズです。水道が使える場所であれば気軽に使えるため、持ち歩いている人も多いことでしょう。なおデンタルリンスは液状の歯磨き粉であり、マウスウォッシュとは用途が異なります。
マウスウォッシュはプラークの中に浸透しないため、それだけで歯のトラブルを防ぐのは不可能です。まず歯磨きとデンタルフロスでプラークを除去してから、マウスウォッシュで殺菌するのが効果的な使い方です。
フッ素入りの歯磨き粉を使っている場合、マウスウォッシュは基本的に必要ない可能性が高いと考えられます。フッ素には虫歯や歯周病の予防効果があるといわれており、それだけで口の中のトラブルを回避できる可能性があるためです。
日頃から歯をケアして快適な毎日を
今回の記事では、歯磨きとプラークの関係性や気を付けたい生活習慣、歯のケアグッズについて解説しました。
健康な歯の維持には、歯磨きを始めとした日頃のケアが欠かせません。正しい歯磨きのポイントを押さえ、デンタルフロスやマウスウォッシュも上手に使いながら、口の中を健康に保ちましょう。生活習慣と食習慣の見直しも大切です。
本記事で紹介した情報をヒントに、歯のトラブルがない快適な毎日をお過ごしください。