歯磨きで出血するのはなぜ? 原因や対処法を解説
歯磨きの際に出血を経験したことがある方は多いでしょう。頻繁な出血でなければ、それほど気にする必要はありません。
しかし、毎日のように出血する場合は歯磨きの仕方に問題がある可能性や、歯周病になっている可能性があります。
本記事では、歯磨きで出血する原因や対処法を解説します。
歯磨きで歯茎から出血する5つの原因
健康な歯茎では、歯磨きで出血することはほとんどありません。歯磨きで歯茎から出血する場合、以下5つの原因が考えられます。
- 歯周病
- 強い力によるブラッシング
- 生活習慣の乱れ
- ホルモンバランスの変化
- 全身疾患
歯周病
歯周病にかかっていると、歯磨きの際に出血する可能性があります。
歯周病とは、細菌感染によって歯茎に炎症を起こす病気です。症状が悪化すると歯を失う可能性もあります。
初期段階の歯周病には、自覚症状がほとんどありません。症状が進行すると、歯磨きの際に歯茎から出血を起こす場合があります。
歯周病の疑いがある方は、早急な治療が必要です。
強い力によるブラッシング
強い力によるブラッシングも、歯磨きで歯茎から出血する原因の一つです。
普段から強い力でブラッシングしていると、歯茎を傷付ける場合があります。強い力でゴシゴシとブラッシングするのは、正しい歯磨きの仕方ではありません。
また力を入れないと磨けていないと感じるのは、歯ブラシの硬さが合っていないことが原因の可能性もあります。歯ブラシを替えることも検討してください。
生活習慣の乱れ
生活習慣が乱れている方は、歯磨きで出血するリスクがあります。栄養バランスの偏りや睡眠不足といった生活習慣の乱れがないか、見直してみてください。
生活習慣が乱れていると細菌への抵抗力が弱くなり、歯茎が炎症を起こして出血しやすくなるので注意しましょう。
ホルモンバランスの変化
ホルモンバランスの変化が原因で、歯磨きの際に出血するケースもあります。
ホルモンバランスの変化は、免疫力の低下に影響する要素です。免疫力が低下することで、歯磨きの小さな刺激でも出血する場合があります。
特に女性の場合は、月経中や妊娠中にホルモンバランスが変化します。特定の時期に歯磨きで出血するなら、ホルモンバランスの変化が原因の可能性が高いでしょう。
全身疾患
全身疾患にかかっているために、歯磨きの際に歯茎から出血する場合もあります。
特に以下の疾患にかかっている方は注意が必要です。
- 白血病
- 糖尿病
- 高血圧
歯周病や生活習慣の乱れに心当たりがない場合は、全身疾患にかかっているかもしれません。念のために医療機関で検査を受けるのがおすすめです。
出血を理由に歯磨きをやめるのはNG
出血を理由に歯磨きをやめるべきではありません。歯磨きを怠ることで口内環境が悪化し、歯周病のリスクが高まるからです。
特に、歯周病が原因で歯茎から出血する場合は、丁寧な歯磨きを続けてください。丁寧な歯磨きをすれば血行が促進されて歯茎が引き締まり、炎症や腫れの抑制につながります。
歯茎からの出血が歯周病以外の場合でも、歯磨きはやめずに丁寧なブラッシングを心掛けましょう。
歯磨きによる出血への対処法
歯磨きによる出血を防ぐには、毎日のオーラルケアや生活習慣の見直しが必要です。ここでは、歯磨きによる出血への対処法を3つ解説します。
- ブラッシングの仕方を見直す
- 出血する部分を丁寧に磨く
- 生活習慣の乱れを改善する
ブラッシングの仕方を見直す
今まで強い力でブラッシングを行っていた方は、ブラッシングの仕方を見直しましょう。
歯磨きの際は力を入れずにブラッシングします。使い古した歯ブラシでは、力が入って歯のエナメル質を傷付ける可能性があるので注意してください。
歯ブラシでは届きにくい部分は、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってケアします。歯茎の境目には歯垢が溜まりやすいので、丁寧なブラッシングが必要です。
また適切な歯磨きの仕方を身に付けるには、歯科医院で指導を受けるのも良いでしょう。
出血する部分を丁寧に磨く
歯茎からの出血を抑えるには、出血する部分を入念に磨くようにしてください。
歯垢や歯石による炎症が原因となり出血している場合、歯磨きを怠ると、口内環境がさらに悪化するリスクがあります。
歯周病が原因で出血している方は、特に丁寧に磨きましょう。
生活習慣の乱れを改善する
栄養不足や睡眠不足に心当たりがある場合は、生活習慣の乱れを改善することも大切です。
生活習慣の乱れは免疫力の低下を起こし、歯磨きによる出血の原因となります。そのため、バランスの良い食事を摂り、睡眠時間を見直してください。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」によると、成人の適正な睡眠時間の目安は6~8時間です (※)。
免疫力が低下すると歯茎からの出血だけでなく、他の病気のリスクまで高まります。生活習慣を改善して、免疫力を高めるように心掛けましょう。
※参考:厚生労働省.「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」.P11
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf ,(参照2024‐09‐01).
歯磨きの出血が気になるなら歯科医師に相談しよう
歯磨きによる歯茎からの出血には、さまざまな原因があります。健康な歯茎では出血がほとんど見られないため、歯茎からの出血は病気や不調のサインかもしれません。
歯茎からの出血を改善するには丁寧な歯磨きを行い、生活習慣の乱れを改善することが大切です。
本記事で紹介した対処法で出血が改善しない場合は、できるだけ早く歯科医師に相談しましょう。