噛み合わせとは？治療法と歯並びとの関係

噛み合わせが良い、悪いという話をよく耳にしますが、「具体的に噛み合わせとはどのような状態を指すのかよく分かっていない」という方も多いでしょう。

本記事では、噛み合わせとは何かということや歯並びとの関係、治療法などについてお伝えしていきます。

噛み合わせとは？

噛み合わせとは、人間が顎を上下に動かした際にできる上の歯と下の歯の接触、並びに顎を左右に動かした際にできる上の歯と下の歯の接触のことを指します。

基本的に噛み合わせには、顎関節（顎の関節）や咬合筋（顎を動かす筋肉）、歯、歯槽骨（歯を支える骨）などが関係しており、噛み合わせが悪くなるとこれらにさまざまな弊害が出てきてしまします。

「噛み合わせが良い・悪い」とはどんな状態？

一般的によくいわれる「噛み合わせが良い、悪い」とは、どのような状態を指すのでしょうか。

まず「噛み合わせの良い状態」とは、上下の歯が噛み合わさったときに力のバランスがとれていて、顎関節や筋肉、歯や骨などがダメージを受けにくい状態を指します。

反対に、上下の歯が噛み合わさったときの状態が悪く、顎関節や筋肉、歯や骨などにダメージがかかりやすい状態が、噛み合わせの悪い状態と考えるとよいでしょう。

ただし噛み合わせが悪い状態であっても、噛み合わせの症状の出方には個人差があります。具体的には、歯の噛み合う力や噛み合う力に対する抵抗力が、噛み合わせに大きく影響しているのです。

噛み合わせが悪いまま放っておくとどうなるの？

それでは噛み合わせが悪いまま放っておくと、どのような問題が発生するのでしょうか。ここでは噛み合わせの悪化により生じる問題を2つ取り上げ、ご紹介します。

1. 顎や首に痛みを感じる

噛み合わせの悪化により、顎の関節の動きが悪くなります。また、口を大きく開けた際に顎を動かす筋肉に痛みが出て、顎に痛みを感じるようになることも。場合によっては、首に痛みが生じるケースもあります。

2. 歯に問題が生じる

噛み合わせの悪化から、歯が割れたりすり減ったりする場合があります。また、歯がぐらぐらと揺れてしまうこともあります。

理想的な噛み合わせに必要なこととは？

理想的な噛み合わせを作り上げるには、奥歯がしっかりと生えており、歯の位置が安定していることが大切です。これによってうまく咀嚼できるようになり、上顎の前歯が前へ倒れてくることもありません。周囲の歯に負担がかかることで、他の歯の根が折れてしまう、歯周病が進行してしまうといった問題を引き起こすことも少なくなります。

また、左右に顎を動かした際に、前歯が支えになって横方向にかかる力をコントロールできるようになっていることも、理想的な噛み合わせのためには必要です。奥歯に不要な力がかかることもなくなります。

噛み合わせと歯並びとの関係

歯並びとは、歯の位置の連続性を指す言葉です。噛み合わせとは異なる意味合いを持つため、歯並びの悪さが噛み合わせの悪さとは同じ意味になりません。

ただし歯並びが悪いと、見た目の問題だけでなく歯と歯の間に物がはさまりやすくなるといった問題が発生します。

また歯並びを改善する場合には、矯正治療を行なうのが一般的ですが、その際は噛み合わせにも影響します。例えば矯正中は開咬という状態になることがあります。開咬とは一般的に奥歯でしっかり噛んだ際に上下の前歯に隙間が出来てしまう状態です。また、矯正中は歯が移動することでも一時的に噛み合わせが悪くなってしまいます。ただし、この状態は治療が進むにつれて改善されてくるため、ご安心ください。

噛み合わせの治療法

噛み合わせの原因が歯並びの悪さであれば、インビザラインと呼ばれる透明のマウスピースによる治療法が適しています。噛み合わせ治療にワイヤーを用いるケースもありますが、透明のマウスピースであれば周囲に気付かれる可能性が減るだけでなく、金属アレルギーの方であっても利用可能です。

また、噛み合わせの原因が歯の欠損であれば、インプラントや入れ歯治療で欠損している部分を補います。

【まとめ】

噛み合わせにお悩みの場合は早めに歯科医院へご相談しましょう

噛み合わせとは、上下左右に顎を動かした際の上下の歯の接触を指し、噛む力のバランスを表す言葉です。

噛み合わせの悪い状態が続くと、顎に無理な力がかかり、顎関節症などさまざまな不調を引き起こしたり、歯が削れたり割れたりと問題が発生しやすくなるため、気になった段階でなるべく早く治療をするのがおすすめです。

噛み合わせの治療は自分一人ではできません。歯科医師が噛む力のバランスを考慮に入れながら治療を受ける方一人一人に応じて処置をする必要があります。現在、噛み合わせでお悩みの方は、ぜひ一度、歯科医院へ相談してみてください。