虫歯じゃないのに歯が痛い理由はなぜ?
歯の痛みは大きく分けて2種類
歯の痛みである原因は複数ありますが、大きく分けると2種類になります。
歯原性歯痛(しげんせいしつう)
歯原性歯痛は、歯そのものやその周りが直線的に歯の痛みの原因になることをいいます。
代表的なものに、虫歯や歯髄炎という歯の中の神経が延焼しているもの、ほかには歯周病や歯肉炎があります。
非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)
非歯原性歯痛は、歯が原因じゃないのに歯が痛いように感じることをいいます。
代表的なものに、副鼻腔炎(蓄膿症)、偏頭痛、顔の感覚を伝える神経(三叉神経)が痛んだり、ストレスなどでも全身が緊張から痛みを感じることもあります。
歯の痛みは歯・歯の周り・歯肉・粘膜・咀嚼筋によって発生する
歯の痛みは歯本体だけでなく、周辺の組織や粘膜、筋肉が原因で起きている場合があります。虫歯じゃないのに歯が痛いの時の主な原因や発生箇所は下記の9つです。
▼虫歯じゃないのに歯が痛いの時の箇所・原因
- 歯そのもの
- 歯肉(歯1本1本を取り囲む肉)
- そのほか歯周組織(歯の周囲にある組織)
- 歯槽粘膜(上下歯茎の根元)
- 咀嚼筋
- 神経
- 片頭痛
- 精神的ストレス
- 口腔がん
虫歯以外で多いのは神経が露出したことにより、知覚過敏ですが、そのほかにも日々の精神的ストレスによって歯ぎしりや噛みしめを引き起こし、神経痛を引き起こしている場合もあるのです。
歯本体の痛みは神経の露出によるもの
歯は組織が層になってできており、一番上に位置するのがエナメル層です。エナメル層の下には、象牙質、歯髄、セメント質、歯根膜と続きますが、2番目の象牙質が露出すると、痛みが発生します。
虫歯によってエナメル質が削れることが原因ですが、虫歯でなくても食事の時に削れてしまう場合もあります。
歯周組織の痛みは細菌による炎症が原因
歯周組織の痛みは、歯と肉に空いた微妙な隙間から細菌が入り込み、炎症を起こして発生します。
痛みは突発的・偶発的なものから、持続的に続くものまでさまざま。歯だけが痛んだり、歯に加えてあごの骨が痛んだり、痛みの範囲も原因や病状によって異なります。ひどくなると膿が発生するのも特徴です。
歯肉の痛みは歯並びが原因
歯肉も歯周組織の一種で、歯を支えるピンク色の肉を指します。噛み合わせが原因で発生する可能性が高く、食べカスが歯の間に詰まって歯肉を圧迫するだけでも痛みを生じる場合があります。
また親知らずの生え方が悪く、炎症を起こして重大な痛みに繋がることも。どちらも抜歯や消毒に加え、歯並びの改善で治療します。
口内炎が歯の痛みに繋がることも
口内炎の中でも、ウイルスが原因で起こる「ウイルス性口内炎」が口内で拡散し、歯茎に起きた炎症が歯の痛みにつながることも。
歯の痛みだけでなく、灼熱感や発熱、喉の痛みなど、風邪のような症状を伴う場合がほとんどです。
奥歯の痛みは咀嚼筋が原因かも
咀嚼筋は食べ物を噛み砕いたり、口を開け閉めしたりするときに使われる筋肉です。この咀嚼筋が痛むと、奥歯の痛みとして捉えられることがあります。
神経痛や片頭痛が歯の突発的な鋭い痛みを引き起こす
神経痛や片頭痛が原因で、歯が痛む場合があります。痛みが特徴的で、瞬時の突発的な痛みや、ズキズキした痛みを引き起こすことがほとんど。
治療法や原因が特定されておらず、歯や神経を抜いたり、抗うつ薬の投与での治療が一般的です。
精神的ストレスが間接的な歯の痛みに
人それぞれですが、精神的なストレスがかかると、知らないうちに歯ぎしりや噛みしめが癖になります。
食べ物のクッションがない状態で歯同士を強く圧迫するので、エナメル質が削れたり、歯茎が下がったり、あごの関節が炎症を起こしたり、結果的に歯の痛みを起こす可能性があります。
歯の治療を行うと同時に、ストレスを解消する治療も必要です。
口腔がん
歯茎に近い部分に口腔がんを発症すると、歯の痛みを感じる場合があります。初期症状はあまりなく、進行すると歯茎がただれたり、できものができたり、歯周病によく似た症状が出ることもあります。
歯医者を受診するタイミングはいつ?歯科医院に行くタイミングについて
歯医者を受診するタイミングは、痛みを感じた後と痛みを感じる前の2つ。歯の健康に気遣っていても、歯医者で受ける定期的なメンテナンスは欠かせません。
歯が痛む前の定期的な受診が大切
多くの方が歯に痛みを感じてから歯医者を受診しますが、「予防歯科」として数か月に1回歯医者に通う心掛けが大切。予防歯科では、歯のトラブルを事前に防ぐ治療を行います。
定期的に通うと、歯痛の発生原因をあらかじめ取り除ける可能性があります。また歯に異常を感じた場合は、放置せずになるべく早く歯科医院を受診しましょう
歯の痛みには何らかの原因がある
通常はない歯の痛みを感じるときは、何らかの原因があります。虫歯だけが歯の痛みを引き起こすわけではありません。見た目が正常だと決めつけるのではなく、歯医者に行って相談してみてください。