親知らずは抜いた方いいの?抜歯すべきなのか残すべきなのかについて解説
親知らずが生えてくると、痛みが生じる場合が少なくありません。
生えてきた親知らずは、抜いた方がよいという話をよく聞きますが、できるなら歯を抜く痛みは経験したくないものです。
では本当に親知らずは抜歯すべきなのか、残すべき親知らずもあるのか解説します。
この記事では以下の内容を知りたい方に、おすすめの内容となっています。
- そもそも親知らずって何?
- 親知らずを抜歯した方が良い場合について
- 逆に親知らずを残してもいい場合はあるのか?
親知らずの生え方は3タイプある
親知らずとは、前歯から数えて8番目にある第三大臼歯のことです。
上下左右に1本ずつ、通常4本の親知らずがあり、10代後半に生えてくるケースがほとんどです。
ただし、そもそも親知らずがない方、レントゲンを撮らないと存在が確認できない方もいます。
さらに抜歯するかを左右する重要なポイントが親知らずの生え方です。
主に3タイプあるので、それぞれのタイプについて見ていきましょう。
1.まっすぐ生えているタイプ
もっとも理想的なのは、親知らずがまっすぐきちんと生えているタイプです。
この場合、他の歯と同じように機能しており、口の中で問題となることはあまりありません。
ただし、こういったまっすぐ生えるタイプの親知らずが生えている方は、あまり多くはいません。
2.一部だけ見えている・斜めに生えているタイプ
もっとも口の中でトラブルを起こしやすいタイプです。
親知らずが斜めに生えており、全体ではなく一部分だけが口の中で見えている状態です。
完全に生えているわけではないので、歯垢や汚れが溜まりやすくなります。
歯ブラシが届かず汚れが溜まると、虫歯や歯周病の原因となるでしょう。
さらに外側に向かって斜めに生えていると、口の内側を噛んでしまう恐れもあります。
加えて、親知らず周辺の衛生状態が悪くなると、体調不良の際に腫れたり痛みを感じたりするかもしれません。
3.完全に埋まっているタイプ
親知らずが完全に埋まっているのであれば、歯周病などの心配はないでしょう。
ただし骨の内部に嚢胞(のうほう)という袋状の塊ができることがあります。
嚢胞は骨を圧迫したり溶かしたりする恐れがあるので、症状によっては手術によって除去しなければなりません。
親知らずを抜歯した方がよい3つのケース
親知らずにはいくつかの生え方のパターンがあるので、抜歯した方がよいものと残しておけるものとがあります。
では抜歯した方がよい親知らずの種類について解説します。
1.虫歯や歯周病の恐れがある
親知らずを抜いた方がよいケースとして挙げられるのが、虫歯や歯周病になっている、もしくはその恐れがある場合です。
とくに親知らずが斜めに生えていると、他の歯との間に隙間ができて歯磨きが上手に行えなくなります。
その結果、親知らずとその周辺の歯が虫歯になります。
さらに歯周病のリスクも高まります。
このようなケースでは治療をしても虫歯や歯周病を繰り返すことが多いので、親知らずを抜歯してしまった方がよいでしょう。
2.噛み合わせが悪い
親知らずは通常上下左右に1本ずつあるため、それぞれの親知らずに対となる親知らずが存在します。
しかし何らかの理由で対になる親知らずがない、あるいは生えてこないと、噛み合わせが悪くなってしまうでしょう。
親知らずが噛み合う場所にある歯茎を傷つけてしまう恐れもあります。
歯茎に痛みを感じる場合には、歯科医に相談して抜歯を検討しましょう。
3.歯科矯正治療を受ける予定がある
もし、これから歯科矯正治療を受けることを検討しているのであれば、親知らずは抜歯した方がよいでしょう。
親知らずが横向きに生えていると、生えようとする力によって他の歯が圧迫されます。
すると、すでに生えている複数の歯に影響を与えて歯並びが悪くなってしまう恐れがあります。
すでに歯科矯正治療を受けている方の場合、親知らずが生えようとする力で治療した歯並びが戻ることもあるので注意が必要です。
親知らずを残せる2つのケース
口内の健康に悪影響を及ぼす場合には、親知らずを抜歯する必要がありますが、親知らずを残しておいてもよいケースもあります。
では親知らずを残せるケースについても見ておきましょう。
1.親知らずが正常に生えている
親知らずがまっすぐ完全に生えていて、噛み合わせにも問題がなく機能しているのであれば、あえて抜歯する必要はありません。
力を入れる際に歯を食いしばることがありますが、上下揃っている親知らずはしっかりと貢献してくれます。
2.完全に埋まっている
親知らずが完全に埋まってしまっている方もいますが、そのようなケースでもあえて親知らずを抜歯する必要はありません。
痛みを感じず、口内や顎に悪影響を与えていないのであれば放置しておいてよいでしょう。
親知らずを取っておくという選択
あまり知られていませんが、親知らずを保存しておいて他の臼歯が失われたときに移植するという治療法がすでに確立されています。
そのためとくに問題のない親知らずであれば、保存しておいて万が一に備えるという選択肢もあります。
親知らずのパターンによって抜歯するかどうかを決めよう
親知らずは必ずしも抜歯しなければならないものではありません。
歯科医と相談して、今痛みや腫れがあったり、将来トラブルのもとになりそうだと判断されたりする場合には抜歯するとよいでしょう。
親知らずの抜歯は、生え方や口内環境などを総合的に判断することが重要です。