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2024.06.04
その他

静脈内鎮静法は治療が苦手な人の味方!デメリットや当日の流れも解説

静脈内鎮静法は、歯科治療が苦手な方やパニックを起こしてしまう方でも、リラックスして歯科治療を受けられる麻酔法です。また、注射針や治療中の痛みなどが気になる方にもおすすめです。

本記事では、静脈内鎮静法の概要やメリット・デメリット、治療当日の流れについて解説します。

静脈内鎮静法(セデーション)とは

静脈内鎮静法とは

静脈内鎮静法は、歯科治療が苦手な患者さんでもリラックスして、治療を受けられる鎮静法で、セデーションとも呼ばれています。静脈内鎮静法の特徴や、全身麻酔や局所麻酔との違いを解説します。

静脈内鎮静法で歯科治療の苦痛を軽減

静脈内鎮静法は、歯科治療の不安や苦痛を軽減するために用いられる鎮静法です。静脈に鎮静剤を投与すると、緊張を緩和でき、眠ったようなリラックス状態に導かれます。また歯科治療の機械音が苦手な方や、治療が怖い方、口の中に治療器具や手を入れられる際の嘔吐反射が辛い方などのストレスを緩和します。全身麻酔のように完全に意識がなくなるわけではないため、呼びかけへの応答や呼吸も可能です。うたた寝の感覚で治療を受けられるのが静脈内鎮静法です。

局所麻酔・静脈内鎮静法・全身麻酔の違い

歯科治療といえば、局所麻酔の使用も一般的です。ここでは、局所麻酔、静脈内鎮静法、全身麻酔の違いをそれぞれ解説します。

局所麻酔 静脈内鎮静法 全身麻酔
麻酔の深度 部分的に感覚がなくなる うたた寝程度 意識がなくなる
呼吸 自発呼吸 自発呼吸 人工呼吸
麻酔から覚醒するまで 10分〜3時間(局所麻酔の種類による) 数十分程度 数時間
入院の有無 不要 不要 必要

 

全身麻酔は意識がなくなるため、局所麻酔や静脈内鎮静法に比べて、全身の負担が大きく入院も伴います。一方で、局所麻酔は部分的に麻痺させる麻酔です。静脈内鎮静法は、局所麻酔に比べてリラックスできるため、歯科治療への心理的なストレスの軽減が可能です。

静脈内鎮静法を受けるメリット

静脈内鎮静法を受けるメリットは、主に次の3つが挙げられます。

  • 治療の恐怖が軽減されてリラックスできる
  •  備忘効果で治療時間が短く感じる
  •  基礎疾患や嘔吐反射がある方も治療を受けられる

それぞれ詳しく解説します。

治療の恐怖が軽減されてリラックスできる

歯科治療への恐怖や不安感から、治療中に動いてしまったり気分が悪くなったりする方でも、静脈内鎮静法を受けるとリラックスすることが可能です。前述したとおり、静脈内鎮静法を受けると緊張がほぐれるため、治療中の痛みや機械音が気になりません。意識はあるものの、気持ちよく眠りについて治療が終わっている方もいます。

備忘効果で治療時間が短く感じる

静脈内鎮静法は備忘効果があるため、治療時間が短く感じるのもメリットです。インプラント治療のように長時間を要するケースでもリラックスでき、あっという間に終わっているような感覚で治療が完了します。個人差はありますが、治療の記憶が残らない方もいます。

基礎疾患や嘔吐反射がある方も治療を受けられる

血圧や心疾患などの不安がある方や、嘔吐反射がある方でも、静脈内鎮静法で安定して治療を受けられます。局所麻酔では、血圧上昇や動悸などが見られるケースがあり、基礎疾患がある方には細心の注意が必要です。口腔内の感覚もあるため、嘔吐反射も防げません。静脈内鎮静法は、他の麻酔で起こり得るリスクや体調の悪化などの心配を軽減できます。

静脈内鎮静法のデメリット

静脈内鎮静法のデメリットは以下の2点です。

  • 静脈内鎮静法を受けられない方もいる
  •  ふらつきや眠気が残る

それぞれのデメリットを解説します。

静脈内鎮静法を受けられない方もいる

静脈内鎮静法は誰でも受けられるわけではありません。受けられない条件とその理由は以下のとおりです。

受けられない条件  理由
妊娠している 流産する可能性があるため
てんかんの既往歴がある てんかんが起きる可能性があるため
緑内障 症状悪化の可能性があるため
小顎症・開口障害・極度の肥満 緊急時に気道確保が困難なため
HIV 抗HIV薬は静脈内鎮静法と併用不可なため
重篤な全身症状 緊急時に疾患が悪化する可能性があるため

 

他にも、静脈内鎮静法に使用する薬剤にアレルギーがある方は受けられません。また、向精神薬を内服されている方は受けられない場合があります。すでに別の病気で通院している方は、主治医へ確認し、歯科医師にも服用中の薬や体調について相談しておきましょう。

ふらつきや眠気が残る

静脈内鎮静法を受けるとふらつきや眠気が残り、判断力や注意力が鈍ります。当日に注意すべき点は以下のとおりです。

● 車や自転車などの運転は禁止
● 階段、プラットホーム、交差点などに注意
● 責任を伴う仕事や火を使用する作業など注意力を要することは避ける
● 激しい運動を避ける
● アルコールは飲まない

病院からの帰路では、運転禁止はもちろん、階段やプラットホームでの徒歩にも注意が必要です。大事をとって、帰宅後も安静に過ごしましょう。

静脈内鎮静法を受ける前日〜当日の流れ

静脈内鎮静法を受けるための注意点を、前日から当日の流れにそって解説します。

静脈内鎮静法を受ける前日

静脈内鎮静法を受ける前日までに、体調を万全に整えておきましょう。また、動脈血中酸素飽和度測定装置のセンサーを装着するため、ネイルは落としておきます。

静脈内鎮静法を受ける当日

静脈内鎮静法を受ける当日は次のスケジュールで行動しましょう。

スケジュール  概要
静脈内鎮静法を受ける前の準備 ● 6時間前までに食事を2時間前までに水分補給を済ませる(クリニックによって多少前後あり)
● 薬の服用は、医師の指示に従う
● ネイルを落としていなければ、落とす
● 化粧やコンタクトレンズは落とす
● 歩きやすい靴で出発する
体調確認 当日の体調を確認する
生体情報モニターを設置 血圧や心拍数を測定するモニターを設置する
点滴 点滴で麻酔薬を注入する
治療 リラックス状態で治療を受ける
お休み ● 治療終了したら、麻酔が抜けるまで休む
● ふらつきや眠気の解消ができてから、帰宅する

心配なことがある際は歯科医師に相談してから、治療を受けましょう。

 

静脈内鎮静法でリラックスして歯の治療を受けよう

静脈内鎮静法は、歯科治療が苦手な方でもリラックスして受けられる麻酔法で、うたた寝感覚で治療を済ませられます。備忘効果もあるため、治療時間が短く感じられます。機械音が苦手な方や、高血圧、嘔吐反射が起きやすい方にもおすすめな治療法です。歯科治療が苦手な方も痛みが少ない静脈内鎮静法で、歯の健康を守っていきましょう。

名古屋歯科で行う静脈内鎮静法(点滴麻酔)について詳しくはこちら

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