歯ぎしりの原因とその予防・対策方法について
歯ぎしりに悩んでいる人は大勢いますが、その原因は人によって異なり実にさまざまです。
歯ぎしりは、一緒に寝ている人だけでなく、本人もよく眠れなくなってしまうなど悪影響が及ぶ恐れがあります。
本記事では、以下の内容について解説します。
- 歯ぎしりの種類
- 歯ぎしりの原因
- 歯ぎしりの発生を抑える予防方法
- 歯ぎしりしない為の対策方法
歯ぎしりの種類
歯ぎしりにも実は種類があります
本記事では代表的な3種類について解説いたします。
1.歯ぎしり(グラインディング)
多くの人が想像する歯ぎしりといえばグラインディングになります。
グラインディングは寝ているときに歯をギリギリとこすり合わせることです。
自分ではなかなか気づかず、周りの人から教えてもらうことが多いです。
グラインディングを続けると歯がすり減ったり、顎が痛くなったりと、
歯に対して大きくダメージを与えてしまう歯ぎしりになります。
また、寝ているときがほとんどではありますが、
何かに緊張しているときなどに無意識に歯をギリギリとさせてしまうこともあるため、
起きているときにもついつい歯ぎしりをしている可能性があります。
2.食いしばり(クレンチング)
グラインディングとは異なり、歯をギリギリとこすり合わせることはないですが、
歯を強く、ぎゅっと食いしばることをクレンチングといいます。
寝ているときや、集中しているとき、またストレスを感じているときに無意識にしていることが多いです。
グッと力を入れるときのように無意識に力を入れてしまう行為であり、
グラインディングと違い音が出ないため、こちらも自分ではわからず、自覚していない方がほとんどです。
クレンチングはグラインディングと同じように、歯や顎を痛めることはもちろん、
力を無意識に入れているため、頭痛を引き起こしている可能性もあります。
3.タイピング
上下の歯を軽くカチカチと小刻みに噛み合わせる動きのことです。
クレンチングやグラインディングと違って、強くかみしめたり、歯をこすり合わせることはないのですが、
頻繁にカチカチと合わせることが続くと、歯やあごに負担をかけることがあります。
タッピングは緊張したときや考え事をしている時に無意識にやってしまっていることが多いです。
歯ぎしりをしてしまう4つの原因
10人に1人、もしくは20人に1人程度の人が睡眠中の歯ぎしりに悩まされているといわれています。
しかし、歯ぎしりがどのようなメカニズムで発生するのかは、現在まで正確なことはわかっていません。
正確ではないものの、いくつかの考えられる原因があります。
こちらでは、歯ぎしりを引き起こすと考えられている4つの原因について見ていきましょう。
1.ストレス
歯ぎしりの原因としてもっとも多いとされるのが「ストレス」です。
睡眠中に無意識に歯ぎしりや、食いしばりをしたりすることでストレスを解消していると考えられています。
すべてのストレスから解放されることはできませんが、歯が摩耗したり歯茎に悪影響が出てしまったりするほどの歯ぎしりは、すぐに改善しなければなりません。
2.噛み合わせや骨格
上下の歯の噛み合わせが悪いと、歯ぎしりが起こりやすくなります。
1本だけ歯が高くなっていて、他の歯と強く接触している場合には、歯ぎしりしやすくなります。
また歯の詰め物が原因で、歯ぎしりするようになる方も少なくありません。
歯の詰め物の場合には、それまで歯ぎしりしていなかったのに治療後に歯ぎしりをするようになるのが特徴です。
3.習慣
さまざまな習慣も、歯ぎしりの原因となり得ます。
たとえばスポーツ選手は、力を入れるときに瞬間的に歯を食いしばっています。
それが睡眠中にも習慣となって現れ、歯ぎしりしてしまうのです。
さらに飲酒や喫煙も歯ぎしりを引き起こす原因の可能性があります。
アルコールやニコチンの摂取によって、歯ぎしりがひどくなるケースもあるのです。
4.子ども特有の原因
睡眠中の歯ぎしりは子どもにも起こり得ます。
ただし子どもの場合、乳歯が抜け永久歯に生え変わる際の不快感が原因であることがほとんどです。
永久歯に生え変わった後歯ぎしりがなくなれば、とくに問題視する必要はないでしょう。
歯ぎしりがもたらす体の不調
歯ぎしりは口や歯の健康だけでなく、全身に悪影響を及ぼす恐れがあります。
では歯ぎしりがどのような不調をもたらすのか見ていきましょう。
歯に与える影響
歯ぎしりが直接影響を与える部位は、やはり歯です。
歯ぎしりによって歯が摩耗したり、欠けたりする恐れがあります。
症状がひどくなると、しみるようになったり痛みを感じたりするようになるかもしれません。
歯茎に与える影響
歯ぎしりすると、歯茎などの歯周組織にも影響が及びます。
歯周炎、歯槽膿漏、歯肉炎といった症状が現れやすくなり、歯並びが悪くなってしまうこともあります。
顎に与える影響
歯ぎしりが、顎の関節に与える影響も深刻です。
歯ぎしりによって顎関節症になる人が増えており、口が開けにくくなることもあります。
それほど強い歯ぎしりでなくても、長時間続けることで顎に大きな負担がかかるので注意が必要です。
その他の部位に与える影響
歯ぎしりの影響は、口や顎に留まりません。
歯ぎしりは頭痛や肩こりの原因となり、さらには腕のしびれ、腰痛、倦怠感などを引き起こすことがあります。
加えて睡眠時無呼吸症候群との関連も指摘されており、心筋梗塞を引き起こす遠因ともなります。
歯ぎしりはできるだけ早く治療した方がよい症状なのです。
歯ぎしりの解決方法
- ナイトガード
- 質の良い睡眠
- ストレスをなくす
- かみ合わせの調整
ナイトガード
現在もっとも一般的に行われている治療法は、ナイトガードを用いた方法です。
ナイトガードとは、睡眠時に用いるマウスピースで、装着して眠ることで上下の歯が直接当たらないようにすることができます。
ナイトガードを付けて眠れば、もし歯ぎしりをしてしまったとしても歯の摩耗や欠損を防げます。
またナイトガードの形状を工夫することで、歯ぎしりの回数を減らすこともできる場合があります。
歯ぎしりの不快な音もしなくなるので、一緒に寝ている家族にとってもよい治療法です。
マウスピースというと装着時の違和感が気になるところですが、慣れてしまえばほとんど違和感なく眠ることができます。
加えてナイトガードのメリットは、保険適用の治療法であるということです。
保険が適用されるので、治療にかかる費用も数千円から1万円ほどで行えます。
それほど経済的に負担をかけずに症状を改善できる治療法なので、歯ぎしりに悩んでいる方は検討してみると良いでしょう。
質の良い睡眠
自分で歯ぎしりの症状を改善する第一歩は、質の良い睡眠がとれる環境づくりです。寝る姿勢は横向き、うつ伏せなどで長時間同じ姿勢で寝ることはNG。枕は高くせず、寝返りが打ちやすい姿勢で眠るようにしましょう。
ストレスをなくす
歯ぎしりの多くの原因がストレスによるものです。ですから、ストレス解消は歯ぎしりを治すのに非常に有効な方法といえます。
かみ合わせの調整
かみ合わせは年齢や虫歯、歯周病の進行具合などによって一生同じということはなく、一定しているものではありません。
ですから、前は歯ぎしりをしていなくても、何らかのきっかけでかみ合わせが変わって、歯ぎしりが起こっていることもあります。
もしそうであれば、歯医者さんでかみ合わせを調整してもらうことで、治る場合もあります。
まずは自分で確認してみよう!1つでも当てはまれば名古屋歯科へご相談ください
①朝起きたとき、あごや顔が疲れている
②歯がすり減って短くなっている
③歯にヒビが入っている
④あごに痛みやこわばりを感じる
⑤耳の近くに痛みがある
⑥こめかみあたりから頭痛を感じる
⑦歯の感覚が敏感になる
⑧詰め物がとれていることがある
⑨寝ているときに周りに歯ぎしりの音がすると言われる
⑩日中、何かに集中しているときに無意識に歯を食いしばっている
歯ぎしりの改善で体全体の健康を守る
歯ぎしりはストレスや噛み合わせなどによって生じますが、その影響は体全体に及びます。
ストレス発散の一環である場合もあるので、歯ぎしりを完全になくすことは難しいですが、症状を改善させることは可能です。
ナイトガードによって歯ぎしりの症状を改善し、体全体の健康を守るようにしたいものです。